こんにちは。
前回の記事では、注意障害の概要を説明いたしました。
↓前回の記事はこちら!!
今回は、注意障害の種類について説明していこうと思います。
注意障害の種類
注意障害の種類に関しては、緒論あります。
今回は、Sohlbergらが臨床知見に基づいて提唱した分類で紹介していこうと思います。
①持続性注意
まず一つ目は「持続性注意」というものです。
これは、注意機能の中でも最も低次で基本的な注意と言われており、
この部分が障害されてしまうと、以下に紹介していく他の注意機能がうまく働かないとされています。
静かな場所など注意集中を妨害する要因がないところで一定時間集中して作業を継続することが
持続性注意と呼ばれています。
この機能が障害されると、所謂、集中力がない人となります。
②選択性注意
2つ目に「選択性注意」と呼ばれる機能があります。
これは、脳に入力された数多くの刺激の中から必要な情報を選択する機能となります。
例えば、TVの音でうるさい中、電話の声に集中したり、ウォーリーを探せ!をする際にもこの機能が使用されると思います。
この機能が低下すると、注意が容易に逸れてしまい、本来行うべき作業が中断したり、
停滞してしまいます。
この機能で有名な心理学として「カクテルパーティ効果」があるね。
これは、パーティ会場の人ごみで様々な人が話している中でも、
特定の人の話を聞き分けることができることを言うよ
③転換性注意
3つ目の機能として「転換性注意」という機能があります。
この機能は、異なった課題、行為を交互に行う際やセットの転換に必要な注意機能とされています。
事務作業をしていて、電話がかかってきて、それに対応し、また作業に戻る際には、
電話に対応している間は作業については意識下にしますが、
再開時にはどこまでやっていたかやどんな作業であったかは把握されています。
このようなときに働く機能を転換性注意機能と言います。
④分配性注意機能
4つ目に「分配性注意機能」という注意機能の側面があります。
これは、複数のことを同時に処理する機能のことを言います。
例えば、先の例では事務作業を中断して、電話をすることが転換性注意と言いましたが、
配分性注意の場合は、事務作業をしながらも電話の対応をする際に働く機能です。
学校の先生と電話しながら、子どもに怒っているお母さんは配分性注意を働かせているよ。
まとめ
前回に引き続き、注意機能について説明をしました。
今回は、注意機能を4つのコンポーネントに分けて説明しました。
実際、生活しているときには、どの注意機能だけを使用して作業をしているというわけではなく、
4つの機能をうまく使い分けながら、または同時に使うことで生活しています。
なので、4つにきっちりと分けて考えることは難しいかと思いますが、イメージ作りになれば幸いです。
参考文献
1)張本浩平「極める!脳卒中リハビリテーション必須スキル」株式会社gene,2017,3,15
2)原寛美「高次脳機能障害ポケットマニュアル第3版」医歯薬出版株式会社,2015,2,25
3)石合純夫「高次脳機能障害学第2版」医歯薬出版株式会社,2016,1,10
4)豊倉 穣「注意障害の臨床」高次脳機能研究28(3):320~328,2008
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