こんにちは。
皆さんは、AMPSという評価を聞いたことがありますか?
作業療法士国家試験の過去問や養成校の講義、学会発表などの症例報告で聞いたことがある方も
多いかもしれません。
しかし、どんなものか知っている方も少ないのではないでしょうか。
今日は、そんなAMPSを紹介していこうと思います。
AMPSの概要
ADL・IADLの観察評価
AMPSはADL・IADLの観察評価です。
リハビリでの検査・評価は、本人の生活文脈に合っていないことを実施してもらい
その結果から症状を評価することが比較的多いと思います。
例えば、注意機能検査は
数字を結んでいくといった本人にはあまり意味のないことをしますよね。
反面、AMPSは「本人のしたい作業」「しなければならない作業」「するべき作業」を
実際に行ってもらい、観察して評価していきます。
作業遂行の質を評価する
作業遂行の質は、「安全性」「効率性」「努力性」「自立性」の4つで決まるとしています。
作業遂行の質が高いということは、安全に、効率よく、楽に、一人で実施できるっていうことなんだね。
反対に作業遂行の質が低い場合は、
危なっかしいし、非効率だし、すごい疲れそうで、介助してもらっている状態だね。
AMPSでは、この4つの側面からADL・IADLを評価していきます。
技能を観察する
AMPSでは、技能を観察していきます。
技能とは、作業遂行の最小の観察可能な単位のことを指します。
どういうことかというと、
例えば、実施してもらうADL課題が「牛乳をコップに入れる」だとします。
このADL課題を「工程」に分解してみると、
「牛乳をとる」「コップを用意する」「牛乳を注ぐ」などに分けられます。
その「工程」はさらに「技能」に分けられます。
「牛乳をとる」工程だとしたら、「冷蔵庫のドアを開ける」「牛乳に手を伸ばす」「牛乳をつかむ」など。
この一つ一つの動作のことを「技能」と呼びます。
この「技能」は二つに分かれます。
運動技能
一つ目は「運動技能」です。
これは、「課題遂行中に自分自身やものを動かす目的指向的行為」のことを言います。
運動技能の項目は16項目あります。
プロセス技能
二つ目に「プロセス技能」です。
プロセス技能は、「道具や材料を選んだり、使ったりすること」や「個々の行為や工程をやり遂げる」こと、「問題が生じたら遂行を変更する」ことが当てはまります。
プロセス技能はこの20項目です。
課題の速度は、体も影響するし、プロセスも影響するからどっちにも入っているね。
まとめ
AMPSは、観察を通して、ADL/IADLの作業遂行の質を評価していくツールでした。
観察するのは、作業遂行の最小の観察可能な単位と言われる「技能」です。
「技能」には「運動技能」「プロセス技能」がありました。
「運動技能」は「ものを動かしたり、体を動かす技能」のことで
「プロセス技能」は道具を適切に選んだり、ミスをしないように対策をしたりといったことが含まれましたね。
今回は、ここまでを概要編とさせていただき、次回はAMPSを使用する利点や問題点、使用手順などを紹介していこうと思います。
最後に、「技能」の説明をご覧になった方の中には、「身体機能」や「高次脳機能」と同義と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「技能」と「機能」を区別して今回の結語とさせてください。
次回も読んでくださいね!!!
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