こんにちは。
今回は、高次脳機能障害の中でも生じやすい「注意障害」のリハビリテーションについて記載していこうと思います。
本日は、リハビリテーションについて記載する前段階として、
そもそも注意障害って何かといった概要や注意機能の種類について説明をしていきます。
注意機能の概要
注意とは
私たちの周囲には、様々な刺激が存在します。
風や気温などの皮膚感覚情報、匂いなどの嗅覚情報、ものや光を見る視覚情報、音を感知する聴覚情報・・・・。
意識をしていないだけで、様々な刺激にさらされています。
その膨大な刺激すべてに意識を向けることは困難です。
どの刺激が自分にとって重要なのかを選択して、意識を向けること
それが「注意機能」と呼ばれる機能になります
注意機能の位置づけ
そして注意は、対象の認知、言語、記憶、思考をはじめとする高次脳機能を有効に働かせるために不可欠な神経機能と言われています。
例えば、記憶よりも下に注意機能が位置つけられていることがわかると思います。
これは、勉強の時に覚えたいものに注意を向けておらず、流し読み程度でしか見ていなかったら・・・。
または、勉強に集中していなかったら。
内容を記憶することは難しいと思います。
このように、注意機能というものは他の高次脳機能が働くための基礎となっています。
注意機能障害とは
ここでは、簡単に「注意機能障害」でみられる症状を確認していきましょう。
どこかぼーっとしていて、集中力が無くなっているように見えたり、
注意が逸れたり、複数のことに同時に注意を配ることができなくなってしまう症状がありますね。
注意機能の階層
ここでは、全般性注意を主に見ていくよ。
方向性注意はまだ今度!
注意は、3つのシステムからなるとされています。
覚度(alerting)
最も基本的な機能とされています。
これは、刺激を受け入れる準備段階と考えています。
例えば、「人から話しかけられたときに反応をする」といった機能だと思います。
反応するためには、「しっかりと覚醒していること」と「それを持続できること(=持続性注意)」が重要な要素です。
注意の定位(orienting)
これは、入力されたあらゆる情報の中から必要な情報を選択する機能です。
この機能を「選択性注意」と呼びます。
この機能が障害されると、「簡単に他の刺激に注意が逸れることで、本来集中しなければならない課題を続けることができない」などの症状が生じます。
注意の制御(executive control)
注意の制御には「分配性注意」と「転換性注意」があります。
参考文献
1)張本浩平「極める!脳卒中リハビリテーション必須スキル」株式会社gene,2017,3,15
2)原寛美「高次脳機能障害ポケットマニュアル第3版」医歯薬出版株式会社,2015,2,25
3)石合純夫「高次脳機能障害学第2版」医歯薬出版株式会社,2016,1,10
まとめ
本日は、注意機能の概要と階層や種類、注意障害の概要を説明しました。
次回は評価やリハビリテーションの方法や病巣などについて説明していこうと思います。
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